minipin太郎 埼玉の空のもと

あれから11年が経ち、太郎マリオと人生終盤の日常の日記

さくら


土曜 出勤


朝風呂につかって体を温め
身支度をととのえ
ステップと共にのんびり走りはじめた
いつもより 10分遅いスタート


埼玉の空は曇り空
すっきりしない天気
フロントガラスには
幾らかの雨が落ちてくる
その時々でワイパーを動かすのも
気持ちよいものではない


途中の交差点でおかしな人間をみた
交差点の真ん中を平気でフラフラし
侵入してきた車と服が接触し
過ぎ去る車に文句を放っていた
酔っぱらいか?


距離を走ると様々な出来事に遭遇する


3年前の4月20日祝日出勤途中 17時
このバイパス  122号線
大宮栗橋線を越える陸橋で
俺も玉突き事故にあった
レスキューに引っ張りだされ
救急搬送されたが
ステップが俺を守り 
どこも損傷する事なく 命を守ってくれた
ステップだけが傷だらけになり
廃車となった
業者に引き取られていくステップの姿は
いまだ忘れられない 悲しい記憶


その122号バイパス
蓮田の農協脇から左に入る
元荒川沿い 
この会社にやってきて
この道を通りはじめた あの日
2013年の春だった  桜が満開の日
ステップとギリギリのところで
走り抜けていく
ハナミズキを聴きながら
来年はどこの桜を見ながら走るのか と
考えながら 走っていた日々だった


今日は機械担当
機械はその能率で人間が引っ張られる
まごまごしてられないww
サクサクとタンタンと
機械をとめることなくタンタンと


途中  手作業している方達
・ライトつけなくても見えるんですか?
 と聞いてみる
・はい 大丈夫です
奥に立つ2人は新人さんらしい


20年前  彼女と初めて出会った季節
仕事する立ち居振舞い  姿   後ろ姿から
「凛」としたオーラを孝生は
彼女から感じた
自然と目で追うようになり
尊敬と憧れ   素敵な人   
そして彼女を好きになった
ペンを持っているのに 彼女へ
・ボールペン持ってますか? と聞き
彼女は
・はい、ありますよ   と
前ポケットから差し出してくれた


あの日からだった


その季節がやってくる


20年前の話だけれど
孝生にとっては昨日の事のように
忘れられない 大切な季節


大好きな彼女との始まりの季節
桜が咲く季節


そして ハナミズキが咲く季節

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