minipin太郎 埼玉の空のもと

あれから11年が経ち、太郎マリオと人生終盤の日常の日記

遠い記憶


休日の今日 火曜日


7時に起きだす 埼玉の空は曇り空
太陽は見えない


3月3日は女の子の日
誰かに いつの日か 言われたことがある


電話の向こう 年老いた父親の
今日も元気な声
:忘れるといけないから 今のうちに言っとく
 先日来 うちにも孫たちの人形を飾ってある
 で、その中に お前のもある・・・・


遠い記憶
 物心がついたような時 だから随分子供の頃
 土人形 紙粘土でつくったような それこそ埴輪のような形に
 カラフルな色を塗ったような人形だった
 俺は次男坊 だから長男の兄が全てのものを引き取った
 お祝いごと 服だとかそういうものは全て長男だった
 俺は 兄のおフル とか 親戚からのおフル だった
 その中で 祖母がかわいそうだからと 翌43年の3月に
 その土人形 「もも太郎」「大黒様」「加藤清正」の3体を
 買ってくれたそう  


どこかで 遠い記憶がよみがえる


 :別に取っとくから次回来た時に持っていけば・・
 :分かった じゃあ5月に帰った時、埼玉に戻る30日にでも持って帰る


母親も話しに加わる
俺は彼女から生まれた
そっくりだW
一歩的に話すW    自分の話を話すW 



話すことが得意でなかった孝生
時々の電話では 俺ばかりが話してた様に思う
上手に接して 相手のきもち 相手の側に立って 聴き上手であったなら
もっと仲良く時間を共有できたはず 


:話聴くよ 彼女がやさしくいってくれた
彼女はいつも どんな時も 弱っていく俺や 仕事を放棄した時でさえ
見捨てることなく寄り添って支えてくれ 話を聴いてくれた


一度だけ
:私の悪口ばかり言わないで と グーパンチで俺のおなかをパンチした
  その一回だけ 彼女が本気で俺に怒りを表したのはこの一回だけ


俺は二回
俺より後輩の子 いつも仲良くしていた姿 個室でも満面の笑み
いたたまれず 怒りにまかせ 壁を蹴っていた
:怖くて 今も手が震えてる・・・ お子ちゃまなんだから!


でも その後も彼女は変わらなかった
喜怒哀楽が正直に行動に出る彼女 
それが彼女にとっては「普通のこと」だったのだろう
今度は我慢した 「おこちゃまと言われ嫌われないように」


心引き裂かれる位の彼との場面を目の前で見せつけられた
それが何年たっても頭の中で何度も何度も繰り返される
孝生はその職場から去り 仕事で頭いっぱいだった事がなくなり
その場面がどんどん増え 心が 気持ちが 引き裂かれていく
その職場に居れば わずかばかりのつながりで 心落ち着かせ取り戻すこともできた
だけど もうそこに孝生はいない
空想 妄想が悪いほうに悪いほうに 広がっていく 
時計を見れば また彼と仲良く2人でくっついてずっといる 仲良くしている
限界を超え ついに彼女への怒りとなってしまった
2度目のことが 最後となってしまった


好きすぎて 好きすぎて 120% 一直線で変化球も投げれない孝生
できもしないくせに 自分で何でもしょいこむ 無理をする 馬鹿な男


せめて80%くらいの気持ちだったなら
20%の余裕があったなら その余裕が相手にも伝わり
お互い 余裕・ゆとりをもった付き合いが 長い付き合いができたと思う


みんな 自己中心的な男 孝生が馬鹿だった
彼女にはいっさい非がない 
上手に接して やさしく接して 寄り添って支えてくれた
いろんなことを俺のためにしてくれた


年老いてくると
昔のことを思い出すものなんだろうなぁ
この電話の向こうが 本当は彼女だったかもしれない
あの時 きちんと相手の声を受け止めていたなら 
受け止める事ができるくらいの心の余裕があったなら
弱くなっていなかった孝生だったなら
今も こうやって普通に電話できる間柄として続いていただろう


:50、60になっても仲良くしていこうね^^
:うん!変わらない! 〇〇〇が歳とっても 俺が今のようにおんぶして
 〇〇〇の足になる^^ 杖にもなる ずっと支えていく


毎日が遠い記憶をよみがえらせる
当時の日記を読むと 
56歳になった時どう生きているのか と記載してあった
精一杯 がむしゃらに毎日仕事に打ち込んできたけれど
仕事のことなんかより
彼女と生きた10年に及ぶ歳月ばかりが 蘇る


遠い記憶が 昨日のことのように 蘇る
取り戻せない 幸せだったあの頃のことが 蘇る

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