minipin太郎 埼玉の空のもと

あれから11年が経ち、太郎マリオと人生終盤の日常の日記

新月



今日は新月 うお座の新月だという
朝 いつも通り カーテンを開け 
南の空に向かって孝生が祈る 
それは 今日も変わらない


日曜の朝 少しゆっくり目に家を出る
車内で 玉置浩二の「メロディー」を何度も何度も聴きながら
走る


遅めに出ても
普通に7時過ぎには会社の駐車場に着いた


日曜の朝
会社は静かだった
また いつものように彼女を探してしまう
半分 仕事を組立ながら
半分 彼女を探してしまう


忙しい職場ならそんなこともできないだろうけど
10年を越え ライバル社と「共同」などと
わけのわからん 理由で仕事を振り分けていく時代になったとしても
ここはこの程度の影響でしかない
彼女が働いていた職場だったら 混乱の地になっていたであろうけど・・
今日も あの日の事を 何度も何度も振り返りながら
仕事した   悲しくなる
あの日 あの時の 彼女の立場になると 悲しくなる
孝生はひどいことをした  寄り添って 支えて 尽くしてくれた彼女に
ひどいことをした


:B型は B型を呼ぶんですよ!
一緒に仕事していた女性が ふとした 同僚への怒りを表した時
血液型の話になり そこでB型の話になり
そこに至った


・・・・・・・・


B型はB型を呼ぶんだ・・・・


本当だ 何年すれ違った時があっても 俺たちは呼び合った
孝生がわけのわかんない仕事で翻弄されても
彼女は俺を支えながら 呼んでくれていたし
現場に戻った孝生が 「卒業」と決め込んでも
忙しい最中 わずかばかりの「時」を求めて 彼女のもとへ向かった
お互いが「B型」同士だった
11年経って 気づくとは・・・


孝生が 10年後 56の年になって あなたはどんな生き方をしているか と
問うていた


このありさまだ・・・
悔いの残らない 人生を!
毎日を大事に 一生懸命! 生きる! とかなんとか うたっていたのに
このありさまだ  
彼女への想いで で 毎日が後悔の日々


悔しくて 悲しくて せつなくて・・・・


あの日 あんな酷い怒りを爆発させてしまったことの後悔


「好きすぎると そのほんの紙ひとへのところで 相手が憎くなるんですよね」


一緒に仕事していた その女性が 言う


そうなのだ
好きすぎて 好きすぎて 彼女のことが毎日 頭いっぱいで
離れてしまった職場で 毎日彼女を探してしまう 孝生がいた
そして  辛くて 辛くて 
今頃 また あの男と仲良くしている と 妄想がとまらなくて
で 彼女のあの行動が  
彼女への怒りに 憎さに変わってしまった


彼女は 自分の心を孝生に問い続けたのに・・・



帰宅途中
17時半も過ぎれば 埼玉の空も オレンジ色に染まってくる
孝生は「メロディー」をずっと 何度も何度も聴きながら
新月を探し 彼女への想いを 何度も何度も祈った


もう一度逢いたい 〇〇〇にもう一度逢いたい
死ぬまでに 〇〇〇ともう一度つながりたい


何度も何度も 祈った


そばにいる 彼女は にこやかに 
:もうあなたのそばにいるじゃん! 何が不満なの?
 あなた私を一生離さないって 言ったよね!
 私を大事にしなさい ずっとそばにいるんだから
 しっかりしなさい! 
 と 孝生に向かって にこやかに言っていた


彼女を離さず ずっと生きていく
楽しく 人がうらやましく思うほど仲良く いちゃついて
取り戻せなかった日々を 越えるくらいの仲良くで生きていく


そう 新月に 朝も 夕方も 祈った

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