minipin太郎 埼玉の空のもと

あれから11年が経ち、太郎マリオと人生終盤の日常の日記

春の訪れ


昨日 夜からの仕事
休憩室のソファに座っていた孝生に上司が話しかけてきた
:〇〇〇さん、今度の部長知ってる?
:え?知らないですけど・・・


衝撃が走った


12年前 孝生が出された支店に彼はいた
出される前にもいくらか接点
いや苦情のようなもの言いで ものを言ってくる彼を知っていた


彼がやってくる
当時のことが蘇ってくる


人の人事の話は あっという間
次から次へと 俺に話しかけて その彼の事を聞いてくる


まぁ いい
人の話 俺は俺
当分様子見だな
彼がどう うってくるか
特にトラブルがあったわけでも無し
ただ 俺を見つけて どううってくるか


世の中は人間関係が一番めんどい
どこに行っても どの世界でも
人と人とのかかわりが 一番めんどい


12年経つんだなぁ・・・


12年経ったんだなぁ・・・



仮に孝生がそこで1年勤めたら
元の職場に管理職で戻り
2年でどこかへ出され
転々と単身赴任するようになり
他県も回って 大きな支店の幹部になっていただろうか・・・


いや 無理だろうな・・・
出される前 その4年前にも支店長室で直に管理職を告げられた
その時は子供を一人にできないと
軌道に乗らない子を孤独にさせる事ができないと 断った
出世や給料などには興味がない孝生のことだ
やっぱりどこかで 1人黙々と仕事に打ち込んだ人生だったと思う
それが俺の性分なんだ



朝 仕事を終え
外に出ると 台風のような嵐だった
ステップも 風で ハンドルが取られるようなくらいの嵐だった


孝生は台所で残り物をだし
ストロングを飲んで 二階の自分の部屋にいた
布団にも入らず そのままの状態で寝込んでいた


部屋は先日買い求めていた オリエンタルユリが
二つほど花びらを開かせ 甘い香りがただよっている
その匂いに 目覚めた



時が取り戻せたなら
もう一度やり直せることができたなら・・・
もう一度取り戻せたなら・・・



そんな想いで 
孝生は 今日も埼玉の空を見上げた
晴天の中 嵐が渦巻く 埼玉の空を見上げた

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