minipin太郎 埼玉の空のもと

あれから11年が経ち、太郎マリオと人生終盤の日常の日記

記憶


ついにやってきた
彼がやってきた


1階フロアで仕事をはじめ まもなく
孝生の所属する部の長 
現任者が後任者を引き継ぎのために
連れてきた


目の前に現れた 12年ぶり


そう 孝生が同じように2012年の春
転勤先の引き継ぎのために行った先で彼はいた
そこで現場から上がって10何年はいる生え抜きとして君臨していた
俺よりも 6か7歳は下


一言でいえば 若造 ヒステリック
ほんのちょっとのミスも許さず 自宅から呼び寄せ
まぁ みんなの前でくそみそに怒鳴りつける


こんな人間もいるんだな と思ったものだ
元の会社からすれば 転勤先の物量などわずかなもの
そんなところで せわしく生きていた


だまってやり過ごすつもりでいた
でも 目の前に現れたから
ゆっくりと近づいてみる
スーツ姿は変わりない 見た目も変わりない
ヘルメットとマスクをしている孝生
にこやかな 瞳でみつめてみる


あ! と気がついたようだ


俺は忘れてないぞ


そこにもう一人いた 主が
同じくバンバン もっともらしい正論を吐き続け
一歩も引かない 主が 
転勤先の 譲らない ツートップだった


:宜しくお願いします


当然だ 立場が 役職は雲泥の差となってしまったけれど
俺はここでひたすらに生きて12年経った
お前はあの時の俺と同じように 初心者としてここに来た


まぁ でも孝生だ 馬鹿みたいに責めることなどしない
聞いてくれば 何でも教えてやる


普通だったら大規模な所の経験がない君が
ここに来るはずはない
どんな因果でこのような人事になったかは分からないが
頑張ればいい


歳も50になったとしたならば
あの時のようにヒステリックになることもないだろう と は思うが
みものだな


ここのトップは俺も知っている人 
現場を知って現場の仕事も率先してやろうとする人
頑張れよ 気に入られなければ遠くに飛ばされるぞ


:〇〇〇、人事などはしょせん好き嫌いだぞ


14年ほど前 関東中の居並ぶトップたちの中でも親分と言われる人に
ビールをつがれながら
:お前が〇〇〇か! どうだ俺の所へ来るか?と言われ
:いえ 私は・・・
:なんだ!お前やる気ないのか? 俺はな、やる気のない人間は
 山の奥のほうに飛ばすんだぞ!
 と、その後に言った言葉だった


世の中は何処に行っても人と人とのかかわりあい


敵は作らないほうがいいぞ


まぁ 俺には関係ない
俺は 孝生は自分の仕事をそつなくこなして生きるだけ


12年経って こういうめぐりあわせになろうとは・・
12年前も 昨日のことのようだ


記憶が 走馬灯のように 昨日のことのように
蘇ってきた 一日だった

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