孝生は真っ白な休憩室から
雪に染まった目の前の景色をみていた
昨夜の雪で通勤に支障がでるかな?と
10時半からの仕事なのに
9時には会社にたどりつき
1人窓からの雪をみていた
未練がましいな 俺は
勝手に固まって
勝手に決め込んで
勝手に別れを
いや 勝手な怒りをぶつけて
終わりにしてしまった
あれから11年も経とうとしているのに
まだ昨日の事のように
ひとつひとつの彼女との事が
当時のまま
ハッキリよみがえってくる
笑顔もしぐさも
声も 髪の毛の匂いも
全て昨日の事のように
鮮明によみがえってくる
彼女は今どうしているのか
どこで生きているのか
目の前にひろがる雪景色の
その向こうの西の空をみては
いまだ彼女の事を
孝生は想う
○○○は今どこに…