minipin太郎 埼玉の空のもと

あれから11年が経ち、太郎マリオと人生終盤の日常の日記

新人さん

定時に勤務終了

会社を出る

日没までまだ1時間はある

田植えの季節になってきた

さつきの季節


担当の仕事をしながら

パタパタと状況確認しながら移動する

孝生はいつも流れるように仕事する

この職場はワンフロア

中央を歩けば

まずは見渡せる


新人さん   

一昨日の彼がまた新しい事をやっていた  

今日は傍らに同じような仕事を

する人間がいる

まずは 静観

で  そばの人間が別な事で離席

間が空いたので  孝生がスーッと入った

サクサク手伝う

彼にはまだ荷が重すぎる量


#こうやったほうが

   ゴミになる紙があばれないよ

まだ要領がわかってない


でも素直だ   どんな事でさえ「はい、はい」と 目を見て返事をする

こういったことはとても大事なこと

相手に与える印象も好印象になる

素直な人間は吸収して伸びる


#すいません  教えてください

   この場合はどうするんでしょうか?

   こうなんでしょうか?

#うん  これはね  こうだからこうでよ…

孝生は昔 役職を授かっていた

その時  その意味が分からなければと

説明する話がそんな話し方になった

ややこしい  めんどくさい男

話の下手な男


決断を求められた時は即決なのに…


勤務終了まで20分  流しに入ってる時間

パソコンを開いた

孝生は要領書の作成に乗り出した

昔は難しい手順書等が色々あった

甲は乙に対して   とかめんどくさい物

特定した内容でなく  

可能性を否定しない内容

だからどうとでもとらえられる…


人に聞くと それぞれの返答

1つの答えがない

だから 孝生はこういった手順書や説明書

など事あるごとに読んで覚えていった

高校時代は全教科赤点だらけだったのに

頭の弱い男だったのにww


ここに来て そういったマニュアルを配備して

くださいと お願いしたけれど なしのつぶて

パソコンを開けばたどり着けるけど

それが出来る人など 事務担当者だけ


今の人は可哀想だ…


彼が20年後  今の俺の年になった時

次の人  新人さんに教えてほしい

どの立場になっていたとしても

その年齢になったならば

次の世代を育ててほしい

そう願いながら 作りはじめた


明日から連続夜勤の週

明日は暇そうだから出来上がるかもしれない

サクサクっと作ろう


くたくたで帰宅した

暇なのに  いつも1人仕事を探すからww

さて 夕飯食べて横になる


5月5日が終わっていく

素敵な朝

5月5日(日)  こどもの日
健やかに育って欲しいとの願いで
埼玉の空に 鯉のぼりが舞う日
その 静寂の中を走ってきた
朝日を浴び 新緑の葉がキラキラ光っている
その 爽やかな中を走ってきた


職場に入る時  年下の上司とすれ違う
#あ!○○○さん 今日○○○が休みで…
#そうなの?俺は確か今日機械、組立はなかったはず   で俺に?
#はい… 機械は殆どやり終えてますから…
#兼務?俺な…
で止めておいた


若いときから年上のいろんな人間を見てきた
俺は○○○だから…    俺は年だから…
そう言っては 仲間同士でパチンコやら 
マージャンやら  競馬やら  旅行やら  しゃべっている


俺は年だからあそこの分担はつけるなといい放ち   ガラス張りで主となり  たまに外の担当になるとてんこ盛りになったものをもっともらしく俺に嫌みや文句をいい放ち   夕方になればそれをほっぽってノコノコとガラス張りに入って行く  それを真似して一の子分ニの子分もそこに加算していく
女のそばに行っては
今日の調子はどう? と寄っていく
そういった事がだいっ嫌いだった


だから自分が年を理由にするような人間になったら 仕事はやめようと考えて生きてきた


#分かりました
そう告げ 
作業場全体を見て回って
その担当の段取りを頭の中に描いていった
まぁ 今日はどこも楽に出来るな…


だけど 孝生のことww
仕分け棚に立ち 小物を仕分け始めた
担当の仕事は計算出来てるし
無線が入るから 
それを聞き逃さなければ大丈夫
サクサクww   サクサクww
いや
没頭していなければ  今日の日は尚更
キューッと胸が締め付けられてしまう
せつなくなってしまう
彼女を探し 彼女と会話してしまう
彼女の笑顔が目の前に現れる
急に寄ってきて  顔をのぞきこんで
俺の心を鷲掴んでいく


自分の担当の仕事もサクサクやって
余裕を持って午前の仕事が終わった


少し横になって
もう少し 彼女との思い出にひたろう
幸せな気分にひたろう